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画面設計とは?UIの確認

システム開発では、設計図はコードだけでは不十分です。画面設計は、ユーザーが実際に触れる「見た目」と「操作の流れ」を具体化し、開発者・デザイナー・依頼者の認識を一致させる重要な工程です。コードを書く前に画面構成を明確にすることで、手戻りを防ぎ、使いやすく整合性の取れたシステムを実現できます。

画面設計とは?

画面設計はユーザーが触る画面のレイアウトや動線を設計します。

定義:システムやアプリの画面構造や要素を具体的に設計する工程

目的:ユーザー体験向上、開発者への明確な指示、仕様の可視化

成果物:ワイヤーフレーム、画面遷移図、画面仕様書 など

家づくりでいう「間取り図」「家具配置図」にあたります。

画面設計のプロセス

要件定義の確認

この段階で、画面上で実現すべき機能や表示情報を整理し、開発チームや関係者との共通認識を形成することが重要です。

情報設計

システム全体の構造を把握し、ユーザーが目的の操作へスムーズに到達できるように設計します。画面遷移図で全体の流れを可視化し、メニューやボタンなどのナビゲーション要素を整理し、操作の一貫性と分かりやすさを確保することで、利用者にストレスのない導線を作ります。

ワイヤーフレーム作成

画面のレイアウトや要素配置をシンプルな線画で表現する段階です。情報の優先度やボタン配置、視線の流れなどを検討し、ユーザーが自然に操作できる動線を設計します。見た目よりも構成や使いやすさに重点を置き、関係者間で機能や構造を確認するための設計図となります。

UIデザイン制作

ワイヤーフレームをもとに、色、フォント、アイコンなどのビジュアル要素を加えて具体的なデザインを作成します。ブランドトーンや世界観を反映しながら、視認性や操作性を意識したデザインに仕上げます。機能性と美しさを両立し、ユーザーに信頼感と使いやすさを与える段階です。

UI確認・レビュー

完成したUIを関係者とともに確認し、実際の利用シーンを想定して動作や見た目を検証します。ユーザビリティ、アクセシビリティ、レスポンシブ対応などをチェックし、改善点を洗い出します。ここでのフィードバックを反映することで、品質とユーザー体験の向上を図ります。

UI確認のチェックポイント

ユーザー目線での使いやすさ

UI確認では、実際にユーザーが操作したときに迷わず使えるかを重視します。ボタンの位置や色、ラベルの表現が直感的であるかを確認し、目的の操作へスムーズに進めるかを検証します。開発者視点ではなく、ユーザーの行動や心理を意識することが鍵となります。

一貫性

画面間でのデザインや挙動の統一は、ユーザーに安心感を与え、操作ミスを減らします。共通のデザインシステムやUIコンポーネントを使用し、ボタンの形や色、動作ルールを揃えることで、一貫性のある使いやすいインターフェースを実現します。

視認性

情報が見やすく伝わることはUIの基本です。文字サイズや行間、配色バランスを調整し、背景とのコントラストを十分に確保します。特に高齢者や視力の弱い人にも配慮した設計が求められます。視認性の高いUIは、誤操作防止にもつながります。

操作性

操作のしやすさはユーザー体験を大きく左右します。ボタンやリンクのタップ領域が十分に確保されているか、操作後のレスポンスが遅れていないかを確認します。ストレスのない反応速度と、誤操作を防ぐ適切なインタラクション設計が重要です。

想定デバイスでの表示確認

UIは利用環境によって見え方や操作感が異なります。PCでは情報量と操作性、スマホやタブレットでは指操作やレイアウトの最適化を確認します。各デバイスでレイアウト崩れや操作性の問題がないか検証し、どこでも快適に使える設計を目指します。

よくある失敗とポイント

要件漏れで後から仕様変更

画面設計前の要件整理が不十分だと、開発途中で「この機能が足りない」「想定していた動きと違う」といった問題が発生します。仕様変更はスケジュール遅延やコスト増大の原因になります。初期段階で関係者全員が要件を正確に共有し、設計に反映させることが重要です。

デザインが複雑すぎて操作が分かりづらい

見た目の華やかさを優先しすぎると、操作が直感的でなくなり、ユーザーが迷いやすくなります。UIは「機能を使いやすく伝えること」が目的であり、シンプルで分かりやすい構成が理想です。必要な情報を整理し、目的に応じた最適なデザインを心がけましょう。

開発側との認識ずれ

デザイナーと開発者の間で仕様の解釈が異なると、実装後に「思っていた動きと違う」という問題が起こります。設計段階で画面遷移や動作のルールを明確に共有し、こまめにレビューを行うことが大切です。共通のドキュメントやツールを使って、認識のずれを防ぎましょう。

まとめ

画面設計はユーザー体験(UX)の土台となり、UI確認はその品質を左右する重要な工程です。要件整理から情報設計、デザイン制作、確認までのプロセスを丁寧に踏むことで、手戻りを防ぎ、開発効率と完成度を高められます。結果として、誰にとっても使いやすく、目的を達成しやすい画面を実現できます。