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システム開発を家づくりに例えると

システム開発というと、専門用語が多くて難しそう・・・と思われる方も少なくありません。さらに費用も高額になりやすいため、なかなかイメージしにくく、とっつきにくい印象を持たれがちです。そこで今回は、システム開発を家づくりに例えながら、システム開発の流れや押さえるべきポイントをわかりやすく解説していきます。

家づくりとシステム開発の共通点

家づくりの目的とシステム開発の目的

家づくりには「安心して長く暮らせる場所をつくる」という目的があります。システム開発も同じで、「業務を効率化したい」「売上を伸ばしたい」など、お客様のビジネスを支えるために行います。どちらも利用する人にとって価値あるものをつくることが最終的なゴールです。

設計・施工・引き渡しの流れが似ている

家づくりでは、まず設計士と打ち合わせをして設計図を描き、それに基づいて施工が行われ、最後に引き渡しがあります。システム開発も流れはよく似ていて、最初に要件定義でお客様の希望を整理し、設計を行い、開発(施工)を進め、テストを経て納品(引き渡し)されます。

コスト・品質・スケジュールの三要素がどちらにもある

家づくりでも「予算内に収めること」「住みやすい品質を確保すること」「引き渡しまでのスケジュールを守ること」が重要です。システム開発も同じで、「開発費用」「使いやすさや安定性」「納期」の3つのバランスを取ることがプロジェクト成功のカギになります。

プロセスごとの比較

土地探し・要件定義

家づくりでは「どこに住むか」を決めるために土地探しから始めます。同じようにシステム開発でも、まずは解決したい課題や目的を明確にし、要件を整理することが大切です。ここで予算や制約条件をきちんと確認しておくことで、後の工程がスムーズに進みます。

家の設計・システム設計

家を建てるときは間取りを細かく設計し、どこに部屋や設備を配置するかを決めます。システム開発でも同様に、設計段階で細部まで仕様を詰めておくことが重要です。ここがあいまいだと、後から大規模な修正が発生し、時間もコストも余計にかかってしまいます。

基礎工事・インフラ構築

家づくりではまず地盤を整え、しっかりと基礎を築くことが欠かせません。システム開発でも、サーバやネットワーク環境といったインフラの準備が土台になります。この部分が不十分だと、建物同様に後から大きなトラブルにつながりかねません。

建築・コーディング

基礎が固まれば、家づくりでは大工さんが柱を立て、壁を作り、建物を形にしていきます。システム開発ではプログラマーがコードを書き、実際の機能を実装していきます。この段階で具体的に「形」として見えてくるので、お客様にとっても成果を実感しやすい工程です。

内装・UI/UXデザイン

家の住み心地を左右するのは内装や家具の配置です。同じようにシステム開発では、見た目や使いやすさを決めるUIデザインが大切です。せっかくの機能も、操作しづらければ活用されません。人が心地よく住める家と同じで、ユーザーが自然に使える工夫が求められます。

完成検査・テスト

家を引き渡す前には、安全性や設備がきちんと動くかを検査します。システム開発でも同様に、テスト工程でバグや不具合がないかを確認します。この段階でしっかりチェックしておけば、リリース後のトラブルを防ぎ、安心して利用していただける状態に仕上げられます。

引き渡し・リリース

完成した家は引き渡され、実際の生活が始まります。システム開発ではリリースされ、ユーザーの運用がスタートします。どちらも「完成」がゴールではなく、利用が始まってから本当の価値が生まれます。アフターサポートや運用保守も欠かせない点で、共通しています。

家づくりの失敗から学ぶシステム開発の注意点

設計が曖昧だと後で直せない

家づくりで間取りや構造を曖昧に決めてしまうと、建築が進んでから「やっぱり変更したい」と思っても、大きな工事が必要になり手間も費用もかかります。システム開発も同じで、設計段階を曖昧にすると開発が進んでから修正できないケースが多く、結果的に大きなリスクにつながります。

予算オーバーしやすい

家を建てる際、追加の設備やデザインを後から盛り込むと、当初の見積もりよりも大幅に費用が膨らむことがあります。システム開発でも、要件追加や仕様変更によって簡単に予算オーバーが発生します。最初の段階で優先順位を整理し、必要な機能を明確にすることが大切です。

利用して初めて気づく不便さ

新しい家に住み始めてから「コンセントの位置が使いづらい」と気づくことがあります。システム開発でも同様で、実際に運用を開始してから「ここはもっと使いやすくできたのでは」と気づくケースがあります。だからこそ、利用者目線を取り入れた設計やプロトタイプの確認が重要です。

まとめ

システムは目に見えにくく、使う人にとっては実感しづらいものです。そこで家づくりを例に考えると、その大切さがよくわかります。家もシステムも、まずは丁寧な設計が欠かせず、後からの修正は大きな負担となります。また、住む人にとって快適であることが重要なように、システムもユーザーの視点に立って設計されるべきです。結局どちらも「人が使うために存在する」という点が本質なのです。